
俯瞰の建築パースはめったに描きません。できるだけ、建物を目線の高さで眺めた自然な景観を見せたいためです。しかし、複数棟の戸建て住宅を一画面に収めて、それぞれの異なる意匠や、特徴を説明するときには、俯瞰(高い位置から見下ろして見る)して描くパースが適しています。サンプルはマルミヤハウジングさんから、依頼のあったパースです。1エリアに4種の異なるスタイルの建物が5棟、マルミヤさん独特の南欧風な意匠でレイアウトされています。パースにはあたたかみのある、やさしい雰囲気が要請されましたから、いろいろな技術を試みました。そして、その表現には現在のレンダリングソフトでは限界があることもわかりました。3DはCADで構成されましたが、仕上げはレンダリングソフトは使わず、2種のペイントソフトでレタッチしました。ほとんど「手描き」で製作されたと言えるでしょう。スパニッシュの屋根やスタッコ調の壁にその苦労がしのばれます。そのテクニックを問わると、…企業秘密です。とは言え、どんな方法で描いたのか、今もって、自分でも思い出せません。